昆布や野菜に含まれるグルタミン酸には記憶力向上と認知症予防効果があります

グルタミン酸は、昆布や野菜などに含まれる旨味成分で、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちの1つです。

体内で合成できる非必須アミノ酸で、グルタチオンの前駆体となります。

グルタミン酸は体内のエネルギー源として最も多く利用され、脳の有毒なアンモニアを無毒化します。

1.グルタミン酸は脳を活性化させる

グルタミン酸を摂取すると、大半は腸管内のエネルギー源として利用されます。

肝臓ではアンモニアと共にグルタミンを生合成をします。

体内のアンモニア濃度が高くなると疲労の原因となります。

神経伝達物質としても働き、脳の有毒なアンモニアを無毒化して脳を活性化させます。

認知症の予防や、記憶力の向上、学習能力を高めます。

 

2.ストレス解消効果

グルタミン酸は興奮性の神経伝達物質です。

ストレスを解消してリラックスさせてくれる、GABAの原料になります。

GABは抑止性の神経伝達物質で、脳の興奮を鎮める作用があります。

 

 

3.グルタミン酸は肥満を予防する

 

グルタミン酸には、肪の蓄積を防いで肥満を予防する働きがあります。

実験で、ラットにグルタミン酸を与え続けた結果、皮下脂肪量と内臓脂肪が低下したとのことです。

 

4.グルタミン酸の胃腸への作用

グルタミン酸には、消化を促進する作用があります。

胃腸の粘膜を保護する働きがあります。

 

5.グルタミン酸の血圧への作用

グルタミン酸には血圧を下げる働きがあります。

日本・中国・イギリス・アメリカを対象とした最近の研究では、グルタミン酸の摂取量が多いほど血圧を下げるという結果になりました。

6.グルタミン酸の美肌作用

 

美容面では、肌のバリア機能を高めます。

表皮にある天然保湿因子(NMF)の成分として皮膚内部から水分が蒸発するのを防ぐことで保湿してバリア機能を高めます。

肌のハリや弾力を与え美肌を作ります。

 

 

7.グルタミン酸の過剰摂取で起こること

  • 神経症
  • 幻覚
  • 手足の痺れ
  • 睡眠障害
  • てんかん発作

 

8.化学調味料のグルタミン酸(グルタミン酸ナトリウム)

化学調味料のグルタミン酸は、ナトリウムと結びついたグルタミン酸ナトリウムで、放射線照射によって遺伝子組み換えられたサトウキビから合成されています。

商品の原材料にアミノ酸と表示されています。

お菓子屋や調味料、レトルト食品やインスタント食品など、さまざまな食品に添加されています。

添加物のアミノ酸は身体に吸収されやすく神経細胞に影響して過剰摂取すると、頭痛、手足のしびれ、のぼせなどの症状が起こることがあります。

日本では禁止されていませんが、アメリカではベビーフードに添加することを禁止しています。

 

9.グルタミン酸を多く含む食品

グルタミン酸 : 含有量Top 30

 
順位 食品名 成分量
100gあたりmg
1 穀類/こむぎ/[その他]/小麦たんぱく/粉末状 29000
2 調味料及び香辛料類/<調味料類>/(だし類)/顆粒和風だし 25000
3 乳類/<牛乳及び乳製品>/(その他)/カゼイン 19000
4 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ 17000
4 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分調整タイプ 17000
6 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/繊維状大豆たんぱく 13000
7 卵類/鶏卵/卵白/乾燥卵白 12000
7 魚介類/<魚類>/とびうお/煮干し 12000
7 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/濃縮大豆たんぱく 12000
10 豆類/だいず/[その他]/湯葉/干し/乾 11000
10 穀類/こむぎ/[ふ類]/焼きふ/釜焼きふ 11000
10 魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/サケ節/削り節 11000
10 魚介類/<魚類>/にしん/かずのこ/乾 11000
10 穀類/こむぎ/[ふ類]/焼きふ/車ふ 11000
10 豆類/だいず/[豆腐・油揚げ類]/凍り豆腐/乾 11000
16 魚介類/<魚類>/(いわし類)/たたみいわし 10000
16 肉類/<畜肉類>/ぶた/[その他]/ゼラチン 10000
16 魚介類/<魚類>/(さば類)/ごまさば/さば節 10000
16 穀類/こむぎ/[その他]/小麦たんぱく/ペースト状 10000
16 魚介類/<魚類>/とびうお/焼き干し 10000
16 魚介類/<魚類>/(たら類)/まだら/干しだら 10000
22 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/削り節 9900
22 乳類/<牛乳及び乳製品>/(チーズ類)/ナチュラルチーズ/パルメザン 9900
22 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/かつお節 9900
25 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/粒状大豆たんぱく 9800
26 穀類/こむぎ/[ふ類]/焼きふ/板ふ 9600
27 魚介類/<魚類>/(いわし類)/かたくちいわし/田作り 9300
28 肉類/<畜肉類>/うし/[加工品]/ビーフジャーキー 9200
28 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/裸節 9200
30 調味料及び香辛料類/<調味料類>/(その他)/即席すまし汁 9100

日本食品成分表2020年版(八訂)食品成分ランキング引用

https://fooddb.mext.go.jp/search.html

 

10.まとめ

【グルタミン酸の主な働き】

  • 脳の有害なアンモニアを解毒して活性化させる
  • ストレスを解消してリラックスさせる効果
  • 脂肪の蓄積を防いで肥満を予防
  • 消化促進作用
  • 胃腸粘膜の保護
  • 高血圧の予防
  • 美肌作用
  • 肉の分解を抑制、回復を早める
  • 傷を修復す効果
  • 成長ホルモンの分泌を促進
  • 免疫力の向上など

 

以上、グルタミン酸の働きとグルタミン酸を含む食品についてご紹介いたしました。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

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