快便になる方法!あなたの便の形と色はどのタイプ?
便秘や下痢・腹痛・膨張感・おならが増えたなど、お腹に不快な症状はありませんか?
便の色や形を観察することで、腸の状態を知ることができます。
不快な症状の原因を改善して毎日快便を目指しましょう。
対策方法などをご紹介します。
タップできる【目次】
1.便の成分
【水分量】
1日2Lを口から取り入れ、消化液の7Lが合わさり、合計9Lの水分が消化管を通過します。
そのうちの99%が腸で吸収されて、便の中の水分は残り1%の100g程度です。
【便の成分】
便の成分としての水分量は70%から80%あり、食べかすや腸の細胞が20~30%で腸内細菌が10%です。
1日の排便量は150〜250gあり、食事の摂取量によって変化します。
食べたものが胃に入ると胃壁から3Lほどの胃液が分泌されます。
消化にかかる時間は、糖質が2~3時間くらい、たんぱく質が4~5時間、脂質が10時間くらいかかります。
食事をしてから便として排泄されるまでの時間は、24〜72時間ほどです。
固形になった便はすぐには排泄されずS状結腸で待機していて、食事などの刺激が加わると動き出します。
2.不快な腸の症状・疾患
便秘や下痢・腹痛・お腹が張った感じがある・ゴロゴロする・おならが多い・残便感がある・げっぷや胸やけ・肌つやの低下など、不快症状はありませんか?
にんにくやねぎ・肉類など、においの強い食材を控えても、おならが臭い場合は腸内細菌のバランスが崩れています。
年齢とともに腸の蠕動(ぜんどう)運動は低下していき、腸内の善玉菌も減り始めて悪玉菌が増え始めます。
不快な症状の原因としては、乱れた食生活があげられます。
アルコール・加工食品・添加物などの食べ過ぎや飲みすぎ、精製された白い砂糖や白い小麦粉の摂取や、連続して食べ間食が多く空腹時間をとらないことなどがあげられます。
また、ストレス・運動不足・不規則な生活習慣など、さまざまな原因があるようです。
特に女性にお悩みの方が多いのは、便秘ではないでしょうか?
2-①.便秘
日本内科学会の定義では、3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態をいいます。
便秘は腸の動きが鈍い状態で便が腸に届くまでに時間がかかり、水分が腸に吸収されすぎて硬い便になります。
男性よりも女性に便秘が多いようです。
【便秘の原因】
- 水分摂取不足
- 不規則な生活
- 運動不足
- ストレス
- 大腸の蠕動(ぜんどう)運動や筋力の低下
- 偏食やダイエット
- 排便を我慢する習慣
2-②.下痢
下痢は、大腸の動きが活発で、腸に届くまでの時間が早いため、水分が腸に吸収されずに水分の多い便になります。
【下痢の種類と主な原因 】
- 運動亢進性下痢(精神的ストレス、暴飲暴食、消化不良、冷え)
- 分泌性下痢(細菌やウイルス、食あたり、水あたり、食物アレルギー)
- 浸透圧性下痢(下剤、サプリメント、人工甘味料、暴飲暴食)
2-③.その他の腸の疾患
- リーキーガット症候群
詳細→リーキーガット症候群という腸の疾患をご存じですか?
- SIBO(小腸内細菌増殖症)
詳細→お腹が張って大量のガスが出るSIBOという疾患をご存じですか?
- SIFO(小腸真菌増殖症)
詳細→その症状はお腹のカビが原因かも!SIFOという疾患をご存じですか?
- IBS(過敏性腸症候群)
詳細→下痢・便秘・腹痛などを繰り返すIBS(過敏性腸症候群)とは
上記の疾患をご存じですか?
3.便の色や形で、腸内の状態を確認できます!
食生活以外でも、怒りや不安、恐怖などの心理的ストレスで腸内細菌のバランスは崩れます。
ストレスがあるとおならは臭くなり、毒素も含まれているので我慢せずに元気よく出しましょう。
あなたの便はどのような色と形ですか?
タイプ別・ウンコ改造計画
形状 総ウン態 改善点 ゴールドタイプ(究極のウンコ)
- 色:黄金色
- 重さ:400gのビックサイズ
- 匂い:かぐわしい
- 状態:立派なサツマイモ大ウンコか、もしくは巻きグソタイプ
- 1本形
立派なウンコがスコーンと出て、お腹に爽快感を与える金メダル級。 食生活、精神状態すべていうことなし!
がんの心配がきわめて少ないウンコ。
No problem!この完璧なウンコを毎日目指そうバナナタイプ(理想のウンコ)
- 色:黄土色~赤茶色
- 重さ:200~300gの最適サイズ
- 匂い:適度に香る程度
- 状態:バナナ状の1本形
- 2~3本になることも
バナナ状がスポンと出てウン切れが良く、爽快感が高い。 便器の水にまず浮き、ほどなく沈めばベスト。
心身共に健康で、がんの心配が低いウンコ。
Perfect!このウンコが毎日出ていれば文句ないゴロビチャタイプ(ストレスタイプのウンコ)
- 色:特に特徴はない 赤色系は要注意
- 重さ:150~200g
- 匂い:日によって程度が変わる
- 状態:一気に出るが、ペーパーにウンコがつく
固いものとビチャビチャが交互に出たり、一緒に出たりする。 不規則でストレスの多い生活により腸のリズムが狂っている。
がんの心配のあるウンコ。
夜はお風呂にゆっくり浸かる、軽いストレッチをするなど、リラックスを心がける。 起床後はコップ1杯の硬水を飲み、朝陽を浴びながら 丹田呼吸法を。
※4-⑥で丹田呼吸法について記載
ヒョロ~リタイプ(老けタイプのウンコ)
- 色:黒っぽい
- 重さ:150g
- 匂い:ツンとした臭さ
- 状態:細くて切れやすい
- 水にすぐ沈む
弱々しいウンコは、腸年齢が老けていることを表す。 全体的に若々しさに欠け、他人からは老けて疲れきって見える。
がんの心配のあるウンコ。
水溶性食物繊維や発酵食品、玄米を積極的にとろう。 腹筋が弱まるとよいウンコは出せない。
暇を見つけて腹筋運動を。
丹田呼吸で腸を刺激するのも効果的。
コロコロタイプ(便秘のウンコ)
- 色:茶色~黒
- 重さ:80~100gあればよいほう
- 匂い:他人に不愉快を与える臭さ
- 状態:ウサギのウンコ状態 カチカチに固い
便秘の人に多く、オナラモ臭い。 イライラしやすい精神状態にある。
免疫力も低下している。
冷え性の人に多いウンコ。
大腸がんに注意が必要。
水溶性・不溶性の食物繊維の多い野菜、玄米、五穀米を食べ、白米や菓子類、加工食品は控える。 マグネシウム含量の多い硬水を1日1.5ℓは飲もう。
クサドロタイプ (下痢一歩手前のウンコ)
- 色:黒ずんだ茶色~黒
- 重さ:200g
- 匂い:ウッとなるきつさ
- 状態:量はあるが泥状
ドロドロの泥状で、臭いウンコ。 ストレスで腸の機能が乱れている。
長期間このウンコが続くと腸が荒れ、がんの心配が大きくなる。
水溶性食物繊維をしっかりとり、十分な休息とリラックスを心がける。 腸を積極的に温めてあげよう。
冷えたお酒や冷たいものを控えることも大事。
ビチャビチャタイプ (下痢の水便)
- 色:茶色
- 重さ:まちまち
- 匂い: ものすごく臭い
- 状態:ビチャビチャ
水状で、ウンコと呼べない代物。 ストレス、暴飲暴食が原因。
食事、酒の飲み方、生活など、すべて見直す必要がある。
長期間続くと、がんの心配が大きい。
ストレスによって暴飲暴食に走る人に多い。 体の深部が冷えきっているので、毎日ゆっくり湯船に浸かり深呼吸をしよう。
体を温める生活が大事。
がんの特徴は大便の色に表れることも!
灰白色系 ビチャビチャ・クサドロタイプは膵臓がん バナナタイプなら肝臓・胆道・胆嚢疾患など
黒色系 ビチャビチャ・クサドロ・バナナタイプは、食道・胃・十二指腸など上部消化管のがんや腫瘍など 赤色系 ビチャビチャ・クサドロ・バナナタイプの場合は大腸がん コロコロ状は直腸がんなど
引用元:藤田絋一郎『がんにならない整腸術』(PHP文庫、2016年、P195~197)
4.美便を目指す生活習慣
快便になるためには、毎日の食事やトイレ習慣、水選びなどが大切です。
実践していただきたい、6つの方法をご紹介します。
4-①.食事
バランスの良い和食中心の食事で、加工食品や添加物、精製された白い砂糖や小麦粉の摂取を控えめにしましょう。
水溶性・不溶性食物繊維をが豊富な食材を選び、乳酸菌が豊富な発酵食品、オリゴ糖を含む食品を積極的にとりましょう。
腸は空腹時に働きが活発になり、この時間で腸の掃除をするので空腹の時間を作ることが大切です。
間食や連続して食事をしていると腸の掃除ができずに、腐敗した食べ物が腸内に停滞して悪玉菌が増える原因になるので、夕食は早めにとって腹7分目で済ませましょう。
※腸に良い食生活についての記事はこちらから→腸内環境を整えて、腸年齢を若返らせる腸に良い食べ物とは?
4-②.運動
運動不足は腸の働きが悪くなり、便の滞在時間が長くなります。
腸内が有害物質に触れる時間も長くなるので、大腸がんのリスクも高まります。
1日15分だけでもいいので、少し息が切れるくらいの運動をしましょう。
便秘 |
|
速く動いたりする運動がおすすめ |
下痢 |
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体に負担をかけない軽い運動がおすすめ |
4-③.心の持ち方
楽しさや幸せを感じると、脳から幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、自律神経が整って腸の働きがよくなります。
腸と自律神経は密接に関係していてお互いに影響を与えているので、自律神経を整えることが大切です。
自律神経には副交感神経と交感神経とがあり、寝ている時は副交感神経が優位になり、身体的には血管が適度にゆるんで血圧が低下します。
興奮状態にある時は交感神経が優位になり、身体的には血管が収縮して血圧が上昇します。
腸内環境が悪いと、うつ病になることもあります。
プラス思考で毎日、大笑いをするように心がけましょう。
4-④.水分
健康な人の便は70%~80%が水分でできており、水分不足は便秘の原因になるので水分補給を忘れずにしましょう。
快便には水選びも大切です。
【下痢・ゆるめは軟水】
ミネラルが少なくカルシウムとマグネシウムの濃度が低めで、胃腸に負担をかけずに老廃物を排出することができます。
軟水の特徴
- ミネラルが少ない
- まろやかで軽い口当たり
- 主な産地は日本
【便秘には硬水】
ミネラルが多く身体への浸透圧が高いため、腸内に水分を保持しやすく、便をやわらかくすることができ便秘改善に効果があります。
硬水の特徴
- ミネラルが多い
- 苦味があり重い口当たり
- 主な産地はヨーロッパ
4-⑤.トイレ習慣
良好な腸内環境であれば排便は1日1~3回あります。
- 朝は排便に最適な時間なので余裕を持って起きる
- 習慣として、朝起きたらコップ一杯の水を飲む
- 少量でも朝食を食べる(腸に食べ物が入ってくると、反射作用で前日の便が動き出す)
- 朝食後に便意がなくても5分間トイレに入り座る
- 焦ると交感神経が優位になり腸の動きが低下するので、リラックスして副交感神経を高める
- 座る姿勢は少し前かがみになって、かかとを上げてつま先を立てるようにする(直腸から肛門までまっすぐになって、便が出やすくなる)
4-⑥.呼吸法
深呼吸をして呼吸を整えることも大切です。
おすすめの呼吸法で丹田呼吸法があります。
お釈迦様が心身を丈夫にされ、悟りを開くもとになった呼吸法です。
丹田の場所は、おへそより指3、4本分下がったところにあるツボのことです。
体調が悪い人はこの場所が冷えている人が多く、丹田を意識して呼吸することで横隔膜が上下し、そばにある内臓にも刺激が行きわたり内臓が活性化されます。
【丹田呼吸の効能・効果】
- 血行がよくなり、冷え性を改善する
- 自律神経を整え免疫力を高める
- 幸せホルモンと言われている、セロトニンの分泌を促進する
- 脳が活性化され、認知症の予防、集中力・ひらめき力もアップ
【丹田呼吸法】
- あぐらか正座の姿勢で座り、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、手を「丹田」に置く。
- 鼻呼吸をし、自然な呼吸で心を落ち着かせ ます。
- 次に丹田に意識を集中させて、10秒かけて鼻から息を吐きながら、丹田をかたくしていく。
吐いたときお腹がへこんだ状態にし、空気をすべて鼻から吐き出す。 - その後、鼻から5秒かけて空気を吸いお腹をふくらませる、胸はふくらませずに、丹田をふくらませることを意識します。
- 丹田呼吸法は、5秒で吸い10秒で吐くを10回繰り返す。
(ゆっくり行うのがポイント)
5.まとめ
それでは、快便になる方法を以下にまとめます。
- 理想の便ゴールドタイプ(黄金色・サツマイモ大で、かぐわしい香り)の美便を目指す
- バナナタイプ(黄土色~赤茶色・バナナ状・適度に香る程度)の美便を目指す
- びちゃびちゃ・ドロドロ・コロコロ・ひょろ~りとタイプは注意
- 肺白色・黒色・赤色系の便には注意(がんなど、病気の可能性あり)
- 改善策としては、和食中心の食生活で偏らないでバランスよく豊富な食材をとる
- 加工食品や添加物を避ける
- 精製された砂糖・小麦粉を控える
- 水溶性・不溶性食物繊維の豊富な食材をとる
- 発酵食品・オリゴ糖をとる
- 連続して食べずに空腹時間を長くとり、腸の掃除タイムを作る
- 一日1.5ℓから2ℓの水分補給をして、便秘には硬水・下痢には軟水を選びましょう
- 適度な運動を心がける
- 決まった時間に起床し質の良い睡眠を心がける
- 便意がなくても朝食後にトイレに座る習慣を
- 丹田呼吸法をするように意識する
- プラス思考で幸せを感じるようにして、セロトニンを分泌させ自律神経を整えましょう
以上、快便になる方法をご紹介しました。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。