高LDLコレステロール血症の改善策は食事の見直しと運動が効果的です

高LDLコレステロール血症とは、血液中のLDLコレステロール値が高い状態で、脂質異常症に分類されます。

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態、あるいは少なすぎる状態をいいます。

1.高LDLコレステロール血症

 

血液中のLDLコレステロール値が高くなった状態です。

LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運搬する役割を担っています。

 

【診断基準】

  • LDLコレステロールの正常値60~119mg/dl
  • 高LDLコレステロール血症→LDLコレステロール値が140mg/dl以上
  • 境界域高LDLコレステロール血症→120~139mg/dL

 

1-①.コレステロールについて

コレステロールは脂質の一つで、細胞膜やホルモン、消化に必要な胆汁酸やビタミンDの原料で、3大栄養素の脂質・糖質・たんぱく質が材料です。

生命維持に必須な物質で、脳の脂質の4分の1がコレステロールで、細胞膜の原料もコレステロールです。

コレステロールにはHDLコレステロールと、LDLコレステロールがあり、通常、血液中のコレステロールの割合はバランスが保たれています。

 

1-②.動脈硬化とは

動脈硬化の状態が続くと、心臓疾患、脳血管疾患など循環器系疾患の病気を誘発します。

何らかの原因で中性脂肪が増え、HDLコレステロールが減少し、LDLコレステロールが増えて血管の壁に入り込むと、活性酸素によって酸化されて毒性のある酸化LDLコレステロール(悪玉)に変化します。

白血球のマクロファージがこれを異物とみなして攻撃し残骸が壁に沈着します。

残骸が蓄積することで血管が細くなり、血栓ができて動脈硬化へと進行していきます。

健康を維持するには、HDL(善玉)コレステロールを増やして、LDL(悪玉)コレステロールを減らすことが大切です。

 

2.高コレステロール血症の原因

 

原因としては、食生活の乱れや生活習慣などで、トランス脂肪酸の摂取や飽和脂肪酸の過剰摂取があげられます。

コレステロールの多い食品もLDLコレステロールを高くしますが、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂りすぎの方がリスクが高いです。

 

  • トランス脂肪酸の摂取
  • 飽和脂肪酸の過剰摂取
  • HDL(善玉)コレステロールの減少
  • メチオニンの減少
  • 高血圧
  • 高血糖・糖尿病
  • 中性脂肪の増加
  • 肥満・運動不足
  • 喫煙
  • アルコール
  • ストレス
  • エストロゲンの減少
  • 加齢
  • 遺伝(家族性高コレステロール血症)

 

3.高コレステロール血症の改善策には食事の見直しが大切

 

改善策としては、食生活の見直しと有酸素運動が効果的です。

トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取量を控えることでLDLコレステロール値を下げることができます。

マーガリンやサラダ油などのトランス脂肪酸は、HDLコレステロール(善玉)を減少させ、LDLコレステロール(悪玉)を増加させます。

日々トランス脂肪酸を摂取することで、動脈硬化を招き心血管疾患や特に冠動脈性心疾患などのリスクを高めます。

マーガリンやショートニング、サラダ油やパーム油、マヨネーズなど、それらを使用した加工食品やスナック菓子、インスタント食品、洋菓子、パンなどにはトランス脂肪酸が多く含まれているので注意しましょう。

食べ過ぎも注意です。

積極的に摂ると良い食材は、野菜やきのこ類、海藻類など水溶性食物繊維含む食材、納豆や豆腐など大豆製品などがおすすめです。

抗酸化物質(ビタミンA・C・E、ポリフェノールなど)を含む食材は、活性酸素を消滅させる働きがありますので積極的に摂りましょう。

 

4.高コレステロール血症の改善策には適度な運動が必要

 

高コレステロール血症を改善するには、有酸素運動が効果的です。

運動には有酸素運動と無酸素運動があります。

 

4-①.有酸素運動

有酸素運動は、軽~中程度の負荷を継続的にかけて、息切れしない程度の運動です。

酸素を使って体内の脂質や糖質をエネルギー源として筋肉を動かします。

中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やして悪玉のLDLコレステロールを減らす効果があります。

筋トレより有酸素運動が効果的です。

 

主な有酸素運動

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • サイクリング
  • 水泳
  • アクアビクス
  • アクアウォーキング
  • エアロビクス
  • エアロバイクなど

頻度は週3~5日、1回あたり30~60分を継続して行うことが理想です。

 

4-②.無酸素運動

無酸素運動は、短い時間で大きな力を発揮して酸素を使わない強度の高い運動で、酸素を使わず筋肉に蓄積された糖質をエネルギー源とする運動です。

基礎代謝を高めることができ、カロリーを消費しやすい身体にします。

成長ホルモンの分泌を促進させます。

 

主な無酸素運動

  • 短距離走
  • 筋トレ
  • ウエイトリフティング
  • スクワット
  • 腕立て伏せなど

頻度は週に2~3回がベストです。

筋肉はトレーニングによって筋繊維が傷つき、2~3日かけて修復する過程で筋繊維が太く強く成長するので、筋トレ後2~3日間は筋肉を休息させることが大切です。

一回のトレーニング時間は、30分~60分以内がベストです。

 

5.まとめ

 

高コレステロール血症の改善策を以下にまとめます。

  • 飽和脂肪酸を含む食品の過剰摂取をしない
  • 動物性脂肪(バター、ラード、肉の脂身)やトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)控える
  • 肉料理よりも、なるべく青魚料理や大豆製品を使った料理を選ぶ
  • 野菜やきのこ類、海藻類など水溶性食物繊維含む食材を積極的に摂る
  • 納豆や豆腐など大豆製品を積極的に摂る
  • 抗酸化物質(ビタミンA・C・E、ポリフェノールなど)を含む食材を摂って活性酸素を消滅させる
  • 糖分を多く含む菓子類やジュースなどの清涼飲料は控える
  • 炭水化物の摂りすぎや、果物の果糖は中性脂肪を増加させるので、食べ過ぎに注意
  • 青魚、アマニ油やえごま油(酸化しないように保存する)など、不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸を積極的に摂る
  • 調理には酸化しにくいオリーブオイルがおすすめ
  • オメガ6系脂肪酸のリノール酸の摂りすぎに注意
    (リノール酸→大豆油、ごま油、綿実油、コーン油、サラダ油、グレープシードオイルなど)
  • 洋食より和食がヘルシー
  • 食べ過ぎに注意しカロリーを控える
  • 肥満は減量する
  • ゆっくりめのジョギングや早歩きなど、少し息が上がる程度の有酸素運動
  • スクワットなどの筋力トレーニング
  • アルコールの摂取量を控える
  • 禁煙する

 

以上、高コレステロール血症の改善策についてご紹介いたしました。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

\ 最新情報をチェック /