アレルギー症状を緩和して髪の健康を促すメチオニンを含む食材について
メチオニンはたんぱく質の材料となるアミノ酸で、アルコールの分解・毒素の解毒・アレルギー症状の緩和・うつ症状の改善する働きがあります。
お肌の弾力を保持し老化を予防したり、髪の成分であるケラチンを合成して抜け毛や薄毛を予防します。
タップできる【目次】
1.メチオニンとは?
体内でたんぱく質を作る時に必要な成分で、硫黄を含む含硫アミノ酸です。
含硫アミノ酸には、システイン・ホモシステインなどがあります。
たんぱく質を作る以外に、タウリンやシステインの材料になります。
メチオニンは必須アミノ酸で、体内で合成されないため食事からの摂取が必要な成分です。
2.メチオニンの主な働き
- 髪の成分であるケラチンの合成を促進し薄毛や抜け毛を予防し爪を強化する
- ヒスタミンの血中濃度を下げてアレルギー症状を緩和する
- 肝臓の働きを助け毒素の解毒や老廃物を体外に排出
- 肝臓のアルコール分解をサポート
- グルタチオンの生成をサポートして免疫機能を高める
- たんぱく質の合成
- タウリンやシステインの合成
- 抗酸化物質のセレンを運ぶ働きで体内の抗酸化作用を高める
- 血中コレステロールを下げて動脈硬化などを予防
- 脂肪を代謝させる働きで蓄積を予防
- 脳内物質を合成し認知症の予防・うつ病の予防・記憶力を向上させる
- コラーゲンの生成を促進し肌のハリや弾力を保ち老化を予防
2‐①.髪の主成分ケラチンを作る
髪の毛の成分の90%がケラチンで、18種類のアミノ酸が結合してできた成分です。
ケラチンは髪だけでなく爪や皮膚の角質層を作る成分です。
ケラチンにはシステインが15%と多く含まれていて、メチオニンから合成される成分です。
メチオニンが不足してケラチンが作られないと、髪は細くなり、パサつきや切れ毛、枝毛、うねり、ツヤがなくなり薄毛や抜け毛の原因になります。
2‐②.アレルギー症状を改善
メチオニンは、血中のヒスタミン濃度を下げてアレルギー症状を緩和する働きがあります。
アレルギー症状とは、食物、薬剤、花粉、ほこりなどのアレルゲン物質が体内に侵入したときに排除しようとする際に起こる神経反射です。
主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・かゆみ・目のかゆみや充血・湿疹・蕁麻疹などです。
ヒスタミンは、アレルギー症状を起こす化学伝達物質で、食物から直接体内に取り込まれるか体内でも合成されます。
2‐③.うつの症状を改善
メチオニンは神経伝達物質のセロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンといった、脳内物質を合成する材料となり、うつの症状を改善する働きがあります。
脳を活性化させて、認知症を予防したり、記憶力を向上させます。
3.大量の飲酒はメチオニンを減少させる
メチオニンは、肝臓がアルコールを分解する時に必要な成分です。
肝臓の働きを助け毒素の解毒や老廃物を体外に排出させます。
しかし、お酒を大量に摂取すると、肝臓でアルコールを解毒する際に、メチオニンが大量に消費されて不足すると機能を発揮できなくなります。
4.メチオニンが減少することで招くリスクは
- 抜け毛や薄毛
- 髪のパサつき
- 爪や肌が弱くなる
- むくみ
- 動脈硬化
- 虚血性心疾患
- 脳梗塞など
4‐①.髪の毛や爪、肌に影響
メチオニンは、髪の毛の成分となるケラチンの材料となります。
ケラチンを作る材料が不足すると薄毛や抜け毛、パサつきの原因となります。
ケラチンが不足すると、爪や肌も弱くなります。
4‐②.むくみの原因
また、メチオニンが不足すると、利尿機能の低下を引き起こし、老廃物が蓄積してむくみの原因となります。
4‐③.動脈硬化・虚血性心疾患・脳梗塞のリスク
メチオニンが不足すると、血中のコレステロール値が増加して動脈硬化や虚血性心疾患、脳梗塞のリスクを高めます。
コレステロールが必要以上に増えてしまうと、血管の壁に入り込み壁に沈着して、活性酸素によって酸化し過酸化脂質となります。
蓄積することで血管が細くなり、血栓ができ動脈硬化へと進行していきます。
5.副作用について
普通に食事をしていて代謝機能に異常がなければ、メチオニンの過剰摂取にはなることはまずありません。
しかし、サプリメントなどから過剰に摂取すると、以下の副作用が現れる場合があります。
- 悪心
- 嘔吐
- めまい
- 低血圧
- 興奮など
サプリメントなどから摂取する場合は、医師のに相談して容量を守りましょう。
6.メチオニンを多く含む食品
- 卵
- 削り節
- 煮干し
- 数の子
- するめ
- 干しだら
- 小麦たんぱく
- ブラジルナッツ
- 牛乳
- ビーフジャーキー
- しらす
- 大豆
- 鶏肉
- 豚肉
- 牛肉
- 鮭
- アジ
- マグロ
- チーズなど
以下は、メチオニン含有量のトップ30です。
メチオニン : 含有量Top 30
順位 | 食品名 | 成分量 100gあたりmg |
1 | 卵類/鶏卵/卵白/乾燥卵白 | 3200 |
2 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(その他)/カゼイン | 2700 |
3 | 魚介類/<魚類>/(さば類)/ごまさば/さば節 | 2500 |
4 | 魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/サケ節/削り節 | 2400 |
5 | 魚介類/<魚類>/とびうお/煮干し | 2300 |
6 | 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/削り節 | 2200 |
6 | 魚介類/<魚類>/(たら類)/まだら/干しだら | 2200 |
6 | 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/かつお節 | 2200 |
9 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/たたみいわし | 2100 |
9 | 魚介類/<魚類>/とびうお/焼き干し | 2100 |
9 | 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/裸節 | 2100 |
12 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/かたくちいわし/煮干し | 2000 |
12 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/かたくちいわし/田作り | 2000 |
12 | 魚介類/<魚類>/にしん/かずのこ/乾 | 2000 |
15 | 魚介類/<魚類>/うまづらはぎ/味付け開き干し | 1700 |
16 | 魚介類/<貝類>/ほたてがい/貝柱/煮干し | 1600 |
16 | 卵類/鶏卵/全卵/乾燥全卵 | 1600 |
18 | 魚介類/<魚類>/きびなご/調味干し | 1500 |
18 | 魚介類/<えび・かに類>/(えび類)/さくらえび/素干し | 1500 |
18 | 魚介類/<いか・たこ類>/(いか類)/加工品/するめ | 1500 |
18 | 魚介類/<魚類>/(さめ類)/ふかひれ | 1500 |
18 | 魚介類/<魚類>/(あじ類)/むろあじ/くさや | 1500 |
23 | 魚介類/<魚類>/いかなご/煮干し | 1400 |
23 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/うるめいわし/丸干し | 1400 |
23 | 肉類/<畜肉類>/うし/[加工品]/ビーフジャーキー | 1400 |
23 | 魚介類/<えび・かに類>/(えび類)/さくらえび/煮干し | 1400 |
27 | 穀類/こむぎ/[その他]/小麦たんぱく/粉末状 | 1300 |
27 | 魚介類/<えび・かに類>/(えび類)/加工品/干しえび | 1300 |
31 | 魚介類/<いか・たこ類>/(いか類)/ほたるいか/くん製 | 1200 |
31 | 種実類/ブラジルナッツ/フライ/味付け | 1200 |
31 | 乳類/<牛乳及び乳製品>/(チーズ類)/ナチュラルチーズ/パルメザン | 1200 |
34 | 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分無調整タイプ | 1100 |
34 | 豆類/だいず/[その他]/大豆たんぱく/分離大豆たんぱく/塩分調整タイプ | 1100 |
34 | 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/なまり節 | 1100 |
34 | 魚介類/<いか・たこ類>/(いか類)/加工品/さきいか | 1100 |
34 | 肉類/<畜肉類>/ぶた/[大型種肉]/ヒレ/赤肉/焼き | 1100 |
34 | 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・主品目]/むね/皮なし/焼き | 1100 |
34 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/しらす干し/半乾燥品 | 1100 |
41 | 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・副品目]/ささみ/ソテー | 1000 |
42 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/まいわし/丸干し | 970 |
43 | 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・主品目]/むね/皮つき/焼き | 940 |
44 | 魚介類/<魚類>/(いわし類)/みりん干し/まいわし | 930 |
45 | 魚介類/<魚類>/いかなご/つくだ煮 | 920 |
46 | 魚介類/<魚類>/(あじ類)/むろあじ/焼き | 910 |
46 | 魚介類/<魚類>/かじか/つくだ煮 | 910 |
46 | 魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/新巻き/焼き | 910 |
46 | 魚介類/<魚類>/わかさぎ/つくだ煮 | 910 |
50 | 魚介類/<魚類>/(さけ・ます類)/しろさけ/イクラ | 900 |
50 | 肉類/<鳥肉類>/にわとり/[若どり・副品目]/ささみ/焼き | 900 |
日本食品成分表2020年版(八訂)食品成分ランキング引用
https://fooddb.mext.go.jp/search.html
健康な身体を作るには、食物を偏らずにバランス良く食べることが大切です。
以上、メチオニンについてご紹介いたしました。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。