アロマテラピー効果で健康に!精油を正しく取り扱う方法とは
アロマテラピーという言葉はご存じですか?
植物から抽出した精油を使って、心身の不調を癒す、芳香療法(自然療法)の事で、中東地域や、中国、インドなどでは、3000年以上も前から、病気や不快症状の治療に利用してきました。
美肌と健康な心と体作りのサポートをする、アロマテラピーについてご紹介します。
タップできる【目次】
1.アロマテラピーのメカニズム
何十kgもの植物からわずか数mlしかとれないものもあります。
1つの精油には数十から百数十もの芳香成分が含まれていて、体調を整えたり、気分をリラックス、リフレッシュさせたりします。
脳に近い鼻の奥には香りをキャッチする嗅毛がり、鼻から吸い込んだ香りの分子を捕まえます。
そして、香りが脳へ到達すると、香りの分子は情報という姿に形をかえます。
喜怒哀楽の感情に深く関わる大脳辺縁系、記憶に関わる海馬、自律神経やホルモン、免疫の働きを調整する視床下部へと伝わります。
また、肺や皮膚からも吸収されて血管に溶け込み、血流にのって全身を巡ります。
体の深部の痛みが伝わるまでの時間が、0.9秒以上かかるそうですが、香りが鼻から脳へ伝わるまでの時間は、なんと0.2秒以下です。
香りは、全身に行き渡りさまざまな形で作用し、人の気分も左右されます。
【3つの作用】
心 |
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体 |
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皮膚 |
|
精油は薬ではありませんが、成分に薬理作用があり、心身に働きかけます 。
2.精油の選び方のポイント
原料となる植物は、約3000種以上あり、精油として流通するものは約200種あります。
植物のどの部分から抽出するか、どの抽出方法を用いるかによって、生産量、香り、価格が変わります。
また、栽培か野生か、収穫時期によっても香りが変わります。
まずは、好きな香りを見つけてみましょう!
香りの確認は、感覚が鈍ってしまうので、一度に3〜5種類までにしときましょう。
2-①.確認するポイントは?
- 精油を選ぶときには、植物から抽出された天然の精油であることを確認する
- 精油はオーガニックがおすすめ
- オーガニック認証はフランス政府が管理するABマークやエコサート、日本ではJASなど
- 精油名、学名、原産地、抽出部位、抽出方法
- 瓶詰めされた生年月日
- 遮光性のガラス瓶
- 輸入元、製造元
- 取扱説明書
3.精油を活用する
アロマテラピーを始めたら、気に入った香りの精油をいくつか選んで使ってみましょう。
- 好きな2〜3種類を使い分ける
- 目的やTPOに合わせて精油を使い分ける
- 精油をブレンドして楽しむ
- 植物油にブレンドして、自分に合ったブレンドオイルを作る
- 精油の効能を考えて、相性の良いものをブレンドする
- ベースノート、ミドルノート、トップノートを1種ずつ選び、植物油にブレンドする
3-①.香りの揮発速度は3つに分類されます
トップノート | つけた瞬間に揮発する香り | ブレンドした場合は、まず最初に香りが立つ | オレンジ、グレープフルーツ、ペパーミント、ラベンダー、ローズマリー、レモングラス、ローズマリーなど |
ミドルノート | 中間の香り | ブレンドした場合は、トップノートに続いて現れる香りで、これによって全体的な香りの印象が決まる | イランイラン、カモミール、クラリセージ、ゼラニウム、ネロリ、プチグレン、ローズオットー、ローズウッドなど |
ベースノート | 最後に揮発する香り 残り香 | ブレンドした場合は、揮発速度が速い成分を定着させ、香りを長持ちさせる効果がある | サンダルウッド、パチュリー、フランキンセンス、ミルラ、ヒノキ、アンジェリカ、シダーウッド、ベンゾインなど |
3-②.目的に合わせて精油を使いこなしてみましょう
アロマは香りの成分が脳に伝わることで、自律神経、ホルモン、免疫に何らかの良い作用があるといいます。
目的に合った精油を選び、活用してみましょう!
精油の種類 | 身体・心への作用 |
オレンジ・スイート | リラックス・安眠・前向きな気持ち・消化促進 |
グレープフルーツ | 脂肪の分解・ダイエット・リフレッシュ・抑うつ感の穏和 |
サンダルウッド | 優れた鎮静作用・おだやかさ |
ティートリー | 抗菌・抗ウイルス作用・リフレッシュ |
ペパーミント | リフレッシュ・眠気を抑える・抗炎症・消化促進・抗菌 |
ユーカリ | リフレッシュ・集中力アップ・鼻やのどの調子を整える |
ラベンダー | 優れた鎮静作用・自律神経を整える・安眠・皮膚の修復作用 |
レモン | リフレッシュ・集中力アップ・脂性肌の引き締め |
ローズマリー | 活力・リフレッシュ・疲労回復・記憶力アップ |
3-③.まずは手軽な芳香浴からはじめましょう
芳香浴とは、空気中に精油を拡散させ、鼻から芳香成分を取り入れる方法です。
芳香浴には、以下の方法があります。
<ハンカチを使う方法>
- 精油を1〜2滴落とし、鼻に近づけて深呼吸する<
- 精油は着色するものがあるので、しみが残ってもかまわないものを使用する
- 素材は木綿素材のものが、浸透性が適している
- ティッシュやキッチンペーパー、化粧用コットンでもかまいません
<マグカップなどを使う方法>
- 湯を8分目まで入れ、精油を1〜2滴落とし湯気を深呼吸して吸い込む
- 陶器かガラス製がおすすめ
- 香りが残るので芳香浴専用にする
<オイルウォーマーを使う方法>
- キャンドルの熱で精油を温め、空気中に香りを拡散させる方法
- 受け皿に水と1~5滴精油を入れてからキャンドルに火をつけて使用
- 安全なスペースで使用し、蒸発して空だきにならないように注意
<ディフューザーを使う方法>
- 精油の芳香成分の微粒子を空気中に拡散させる器具
- 熱を使わない拡散方法なので、精油の芳香成分が損なわれずに香りを楽しめる
- 長時間香りが持続する
<アロマライトを使う方法>
- 電球の熱で精油を温める芳香浴
<キャンドルを使う方法>
- アロマキャンドルはキャンドルに精油を含ませたもの
<アロマスプレーを使う方法>
- 精油の芳香成分を一気に空中に拡散できる
- 玄関やトイレなどのリフレッシュや消臭
- 好みの香りをエタノールに混ぜて精製水で希釈する
- 戸外の虫よけスプレーとして、レモングラスなど
- 風邪の季節にユーカリや、来客時に気分が明るくなるイランイラン、就寝前にラベンダーなどを使用するなど
精油の使用量を守り、香りは10〜20分の持続を目安にして、長時間の連続使用は避けて、芳香浴を楽しみましょう。
4.精油の保管方法
精油は高濃度に芳香成分が凝縮されているので、注意して正しく扱わないと、十分な効果を発揮しないばかりか、心身に悪影響を及ぼしかねません。
精油は、日光、温度、湿度、酸素などな影響を受けやすい、デリケートな物質です。
保管するときは、高温多湿、直射日光を避けてください。
精油を使って作ったマッサージオイルなども遮光性のガラスビンに入れて保管することが基本です。
精油の使用期限は、未開封の場合は製造後5年、開封後は半年から1年を目安に、おかしいなと思ったら使わないようにしましょう。
ただし、柑橘系の精油は半年以内と短めです。
5.精油を注意して使いましょう
精油は薬ではありません。
予防と健康維持を目的にアロマテラピーを行なってください。
精油は必ず清潔な手で正しく扱いましょう。
5-①.精油は必ず薄めて使い、肌には直接つけないこと!
精油は刺激が強すぎるので、薄めて使用しましょう。
薄める割合は、1%以下を目安にしましょう。
1滴の精油に対して5㎖のベースオイル(植物油)で薄めます。
敏感肌や顔に使う場合は、もっと薄めの濃度(0.5%以下)にします。
5-②.精油を飲んではいけません!
海外では、専門家の指導で内服療法を行う場合もありますが、これは例外的な方法で、けっして精油を飲んだり口に入れたりしないでください。
5-③.光毒性の精油には注意
グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなどの精油の中には光毒性をもつものがあります。(光に当たると黒くなる性質)
薄めたものでも肌につけた直後に日光に当たるとしみができたり赤く腫れあがることがあるので、注意しましょう。
5-④.パッチテストを必ず行いましょう
精油は体質や精油の種類によっては、皮膚に刺激を受けたり、アレルギーを起こす場合があります。
腕の内側に植物油で1%以下に薄めた精油を塗り、24〜48時間後に肌の状態を見ます。
肌の状態が、赤くなったり、かゆくなったり、はれたりする場合は、すぐに洗い流し、その精油の使用は避けます。
異常がある場合は、30分程度でも反応します。
念のため、薄めるために加えるベースオイルもテストしましょう。
肌の異常がおさまらないときは、すみやかに医師にかかりましょう。
5-⑤.持病がある人の使用は要注意!
現在医師の治療を受けている人は、アロマテラピーを始める前に医師または専門家に相談してください。
高血圧やてんかんなどの持病のある人が精油を使用する場合は、特に注意が必要です。
5-⑥.妊婦中・授乳期、乳幼児に安全な使い方
妊娠中や授乳中、赤ちゃんにも、活用できますが、精油には強い作用を伴うものがあるので注意が必要です 。
植物から抽出された、天然の精油であることが前提です!
<妊娠中の場合>
- 妊娠全期を通じ、切迫流産・早産の傾向があり、お腹が張るときは、一切アロマテラピーを行わないこと
- 妊娠初期( 妊娠初期11週6日まで )は、精油の使用を避け、安定期に入っても子宮を刺激する精油や毒性が強い精油は使えない
- 柑橘系の精油をメインとした芳香浴がおすすめ(ラベンダー、スイートオレンジ、マンダリン、ユズ、レモン、ローズウッドなど)
- 妊娠中は肌が敏感になりやすいので、いつもより低濃度で使う
<赤ちゃんの場合>
- 1歳未満の赤ちゃんには、精油はまだ体への負担が大きいので、原則として芳香浴も禁止!!
- 1歳~3歳未満の幼児には、芳香浴以外は行わない
- 強い香りは、赤ちゃんを過度に刺激したり、眠りを妨げたりする可能性がある
- 芳香浴で使える精油は、カモミールローマンやティーツリーなど
- ディフューザーなどは、蒸気によって部屋中に拡散された精油の成分が肌に付着する可能性があるので、抵抗力の弱い幼い子どもがいる部屋での使用は避ける
- 拡散が優しいマグカップ芳香浴などから始めて、精油の使用量は1滴にとどめて、注意しながら始めてみる
- お母さんの香りを覚える時期でもあるため、授乳期間や出産直後は、精油を控えるか、かなり低濃度で使う
- また、キャリアオイルがお母さんの乳頭についた場合は、授乳前にはふき取っておく
- 赤ちゃんや幼児の手の届かない場所に保管して、精油の誤飲に注意する
まとめ
今回は、精油とアロマテラピーについてご紹介いたしました。
精油の香りの成分には、心を安定させリラックスさせたり、元気にする働きがあります。
また、植物油や大量の水などで薄めた精油を肌に塗ることで、肌の調子を整えスキンケアにも役立ちます。
その他にも、女性ホルモンを整えたり、腎臓や肝臓、胃など体の各器官を刺激して内臓の働きを向上させるなど多岐にわたります。
ただし、注意して正しく扱わないと、十分な効果を発揮しないばかりか、心身に悪影響を及ぼしかねません。
精油を正しく知り、正しく使用して心身共に元気になりましょう!
お気に入りの香りを見つけてくださいね!
それでは、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。