下痢・便秘・腹痛などを繰り返すIBS(過敏性腸症候群)とは
下痢や便秘を繰り返したり、排便を伴う腹痛や排便後に緩和する腹痛など、お腹に気になる症状はありませんか?
IBS(過敏性腸症候群)という疾患かもしれません。
検査しても異常が見つからず、数か月以上続く状態の場合に疑われる疾患です。
タップできる【目次】
1.IBS(過敏性腸症候群)とは
過敏性腸症候群とは「irritable bowel syndrome」の頭文字をとってIBSといいます。
突然の腹痛や下痢・便秘などの症状が数か月以上続き、検査をしても異常がなく見つからない場合に、この病気が疑われます。
健康な人は感じない、消化管の痛みを敏感に感じとる知覚過敏状態になります。
10~15%の人にこの疾患があり、発症年齢は20~40歳代に多く、男女比は1:1.6とやや女性に多い傾向です。
- 男性は慢性的に下痢を繰り返す下痢型が多い
- 女性は慢性的便秘を起こす便秘型が多い
命にかかわる病気ではないですが、慢性的に突然の下痢や便秘・腹痛などで、日常生活に支障をきたし、QOL(生活の質)が著しく低下します。
2.IBS(過敏性腸症候群)の主な症状
休日や自宅にいる時には症状が出なかったり、少ないという特徴もあります。
長時間トイレに入れない環境になると、また腹痛が起こったり下痢をするんじゃないかという不安障害の一種として下痢をする場合もあります。
<主な症状としては>
- 腹痛
- 便秘
- 下痢
- 便秘と下痢を繰り返す
- 腹部膨満感
- お腹のハリ
- ガスが溜まる
- 残便感
- めまい
- 頭痛
- 動悸
- 肩こり
- イライラ・不安感・気分の落ち込み
3.IBS(過敏性腸症候群)の原因
不摂生な食生活や暴飲暴食・アルコールの多量摂取、不規則な生活・過労・薬などの影響で症状が出たり悪化したりします。
現在、IBS(過敏性腸症候群)の原因ははっきりとわかっていないのが現状ですが、さまざまな説があります。
食物アレルギーが原因という説や、感染性腸炎にかかったことがきっかけで発症する場合もあるようです。
そして、最も大きな要因とされているのがストレスです。
腸は第2の脳と言われていて、腸と脳は自律神経やホルモンなどの情報伝達系を介して、お互いに密接に影響を及ぼしあっています。
腸の不快な症状は、精神的な不安や過度の緊張などストレスからくるものが大きいようです。
この関係性を、脳腸相関と言います。
睡眠や感情・精神をつかさどる三大神経伝達物質にセロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンという物質があります。
腸は緊張やストレスを感じると、ドーパミン(意欲・喜び・快楽・依存などに関与)やノルアドレナリン(交感神経を活発にさせる)などの神経伝達物質を分泌させます。
そして、同じ神経伝達物質のセロトニン(幸せホルモンと呼ばれている)が、ノルアドレナリン・ドーパミンが暴走しないようにコントロールしています。
しかし、ストレスなどで自律神経が乱れると消化管のセロトニンの分泌量のバランスが崩れて、腸の運動機能に障害を起こし、腸の収縮が激しくなって痛みを感じたり下痢を起こしたりします。
4.セロトニンを増やす方法
自律神経を安定させるには、幸せホルモンと言われているセロトニンを増やしましょう。
<セロトニンを増やす方法>
- 目覚めたら朝日を15~30分程度浴びる
(体内時計がリセットされ、眠気のもとになるメラトニンの分泌がストップしセロトニンが分泌されます)
(メラトニンは朝日を浴びた15時間後に分泌量が増加するので、良質な睡眠へと促します。)
- セロトニンは就寝中には合成されないので朝食でセロトニンのもとになるトリプトファンを含む食材をとる
(大豆・豆類・バナナ・ナッツ類・卵・マグロ・カツオ・レバー乳製品など)
- トリプトファンからセロトニンを合成するにはビタミンB6を含む食材をとることが必要
(バナナ・玄米・とうがらし・小麦胚芽・にんにく・マグロ・カツオ・卵・レバーなど)
- ウオーキングやサイクリングやスクワットなど適度な運動をする
(単調なリズムを繰り返す運動は、セロトニンの分泌を促進します)
丹田呼吸法もおすすめです
(自律神経を整える効果・セロトニンの分泌を増やす効果あり)
4-①.丹田呼吸法とは
セロトニンを増やすには、深呼吸をして呼吸を整えることも大切です。
おすすめの呼吸法で丹田呼吸法があります。
お釈迦様が心身を丈夫にされ、悟りを開くもとになった呼吸法です。
丹田の場所は、おへそより指3、4本分下がったところにあるツボのことです。
体調が悪い人はこの場所が冷えている人が多く、丹田を意識して呼吸することで横隔膜が上下し、そばにある内臓にも刺激が行きわたり内臓が活性化されます。
【丹田呼吸の効能・効果】
- 血行がよくなり、冷え性を改善する
- 自律神経を整え免疫力を高める
- 幸せホルモンと言われている、セロトニンの分泌を促進する
- 脳が活性化され、認知症の予防、集中力・ひらめき力もアップ
【丹田呼吸法】
- あぐらか正座の姿勢で座り、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、手を「丹田」に置く。
- 鼻呼吸をし、自然な呼吸で心を落ち着かせ ます。
- 次に丹田に意識を集中させて、10秒かけて鼻から息を吐きながら、丹田をかたくしていく。
吐いたときお腹がへこんだ状態にし、空気をすべて鼻から吐き出す。 - その後、鼻から5秒かけて空気を吸いお腹をふくらませる、胸はふくらませずに、丹田をふくらませることを意識します。
- 丹田呼吸法は、5秒で吸い10秒で吐くを10回繰り返す。
(ゆっくり行うのがポイント)
5.IBS(過敏性腸症候群)の診断・治療
診断には、IBSと似た症状の以下の病気がないかを検査し、異常所見がない場合にはIBS(過敏性腸症候群)が疑われます。
<IBSと似た症状の病気>
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸腫瘍・がん
- クローン病
- 甲状腺疾患
- 糖尿病性神経障害
- 寄生虫疾患など
<検査方法>
血液検査・尿検査・便潜血の検査をして異常が見つかった場合は症状に応じて、腹部超音波検査・腹部CT検査・大腸内視鏡検査・大腸造影検査が行われます。
他の病気が見つからなかった場合の診断には、国際的な診断基準としてローマⅣが用いられます。
<Rome IV の IBS診断基準>
最近3ヶ月間、月に4日以上腹痛が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上があること。
期間としては6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記基準をみたすこと |
症状は主に便通の異常です。
便形状に基づくRome IV基準により、以下の4タイプに大別されます。
また、便の形状とその頻度から便秘型、下痢型、混合型、分類不能型に分類されます。
便秘型IBS(IBS-C) | 硬便または兎糞状便が25%以上あり、軟便(泥状便)または水様便が25%未満のもの |
下痢型IBS(IBS-D) | 軟便(泥状便)または水様便が25%以上あり、硬便または兎糞状便が25%未満のもの |
混合型IBS(IBS-M) | 硬便または兎糞状便が25%以上あり、軟便(泥状便)または水様便も25%以上のもの |
分類不能型(IBS-U) |
便性状異常の基準がIBS-C,D,Mのいずれも満たさないもの
|
6.SIBOが原因で不調を招いてる場合
大腸に存在する善玉菌や悪玉菌といった腸内細菌が小腸に逆流して繁殖している状態の疾患を、SIBO(小腸内細菌増殖症)といいます。
食物繊維や発酵食品をとると、大量のガスを発生させたり下痢や便秘や腹痛を引き起こします。
最近では過敏性腸症候群(IBS)と考えられてきた人の84%がSIBOだったという報告があります。
検査結果がSIBO(小腸内細菌増殖症)だった場合は、問題を引き起こす可能性が高いFODMAPという糖質を、できるだけ避けた食生活を取り入れることです。
SIBOを発症してる人には、高FODMAP食品は水素やメタンガスを発生させ、お腹の不調を起こす原因になります。
高FODMAP食品の中でも、合わない人が多いのは小麦粉です。
パンやパスタを控えて、お米に替えることから始めてみてもいいかもしれません。
※SIBO(小腸内細菌増殖症)についての詳細はこちら→お腹が張って大量のガスが出るSIBOという疾患をご存じですか?
7.IBS(過敏性腸症候群)の改善方法
IBS(過敏性腸症候群)は、不規則な生活習慣や腸に悪影響を及ぼす食生活が原因であったり、ストレスなどの心理的な面から症状を引き起こすなど、さまざまな要因があります。
それでは、次に改善方法をご紹介いたします。
7-①.タバコ・アルコール・カフェインの過剰摂取を控える
ニコチンやアルコール・カフェインの過剰摂取は、胃粘膜を荒らします。
習慣的に大量のアルコールを摂取すると、胃の機能を低下させてしまい、胃酸と胃粘液のバランスが崩れてしまいますので注意してください。
7-②.脂肪分の多い食事や、香辛料など刺激物の過剰摂取を控える
脂肪分の多い食事や香辛料などの刺激物は、胃腸に負担をかけ下痢などの症状を悪化させる場合があります。
7-③.暴飲暴食を避けて決まった時間に食事をとり空腹の時間を作る
暴飲暴食は腸に負担をかけますので、毎日同じ時間に食事をとり、よく噛んで食べ腹8分目を心がけましょう。
小腸に食べ物が入ってくると、ぜん動運動が弱まり空腹時間にぜん動運動は活発になります.
続けて食事や間食をしていると、ぜん動運動が弱まり腸の掃除ができなくなってしまい、腐敗した食べ物が腸内にとどまり悪玉菌が増える原因になります。
夕食は早めに終えて朝食までの時間を長くとって、空腹時間をを多めに作りましょう。
7-④.小麦粉などに含まれるグルテンの過剰摂取を控える
小麦粉などに含まれるグルテンは、腸粘膜を傷つけて腸の粘膜に隙間を作ってリーキガット症候群を引き起こします。
未消化の食べ物やウイルス・アレルゲンが漏れ出して血管内に入り、全身を巡ってさまざまな悪影響を引き起こします。
小麦粉の摂取は極力控えましょう。
※リーキガット症候群についての詳細はこちらから→リーキーガット症候群という腸の疾患をご存じですか?
7-⑤.糖分(人工甘味料を含む)の過剰摂取を控える
糖分の過剰摂取は、カンジダ菌を増殖させてSIFOを発症してお腹のカビの増殖を招き悪影響を及ぼします。
※SIFOについての詳細はこちらから→その症状はお腹のカビが原因かも!SIFOという疾患をご存じですか?
7-⑥.SIBO(小腸内細菌増殖症)の場合
SIBOを発症している場合には、高FODMAP食品をできるだけ避けた食生活を取り入れましょう。
※高FODMAP食品の詳細はこちらの記事から→お腹が張って大量のガスが出るSIBOという疾患をご存じですか?
7-⑦.牛乳や乳製品の過剰摂取は控えましょう
牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質を消化する酵素を持ってる人は少なく、未消化のまま腸内に残り炎症を起こしてしまいます。
7-⑧.食品添加物や加工食品・農薬の摂取を控える
食品添加物や農薬は、腸にとって良い細菌を殺してしまいます。
腸内のバリア機能を崩して、悪影響を及ぼしますので極力控えましょう。
7-⑨.遅延型アレルギーが関連している場合は原因となっている食物を控える
アナフィラキシーショック反応として、すぐに症状が出ないため非常にわかりにくい反応で、数時間や遅い時は2〜3日後に症状が出る場合も。
心当たりがある方はアレルギー検査をおすすめします。
7-⑩.発酵食品・食物繊維・オリゴ糖を含む食材を積極的にとりましょう
【発酵食品】
- 発酵食品を摂ることで腸内の乳酸菌が増えて腸内環境が改善します。
- 便秘解消や美肌、アレルギー予防、免疫機能の改善につながる
【不溶性食物繊維】
- 不溶性食物繊維はぜん動運動を活性化させ、便の量を増やす
- 有害物質を便と一緒に排出し大腸の掃除をする
【水溶性食物繊維】
- 水溶性食物繊維は水に溶けると年度が増してゲル状になり便を柔らかくする
- ブドウ糖の吸収を抑制し血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールを吸着し体外に排出する働きがある
【オリゴ糖】
オリゴ糖は熱や酸に強く消化酵素でほとんど分解されず、消化・吸収されないまま大腸に届く
- 腸に届いたオリゴ糖は、ビフィズス菌のエサとなってビフィズス菌を増やす
- 便秘改善にも効果あり
※発酵食品・食物繊維・オリゴ糖を含む食材について詳細はこちらから→腸内環境を整えて、腸年齢を若返らせる腸に良い食べ物とは?
7-⑪.朝起きたらコップ一杯の水を飲みましょう
健康な人の便は70%~80%が水分でできており、水分不足は便秘の原因になります。
【下痢・ゆるめは軟水】
ミネラルが少なくカルシウムとマグネシウムの濃度が低めで、胃腸に負担をかけずに老廃物を排出することができます。
【便秘には硬水】
ミネラルが多く身体への浸透圧が高いため、腸内に水分を保持しやすく、便をやわらかくすることができ便秘改善に効果があります。
7-⑫.毎朝便意がなくてもトイレに座る
- 朝は排便に最適な時間なので余裕を持って起きる
- 毎朝、便意がなくても決まった時間にトイレに座り排便習慣を整える
- 座る姿勢は少し前かがみになって、かかとを上げてつま先を立てるようにする(直腸から肛門までまっすぐになって、便が出やすくなる)
※快便になる方法についての詳細はこちらから→快便になる方法!あなたの便の形と色はどのタイプ?
7-⑬.適度な運動を心がける
運動不足は便の滞在時間が長くなり、腸が有害物質に触れる時間が長くなります。
1日15分だけでもいいので、少し息が切れるくらいの適度な運動をしましょう。
7-⑭.質の良い睡眠を心がける
睡眠不足は腸内環境を乱すので避け、眠りの質が整うゴールデンタイムの午後10時~午前2時までに睡眠をとることが理想です。
スマホやパソコンのブルーライトは覚醒作用があり、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて、睡眠の質を低下させるので眠る2時間前からは使用を控えましょう。
起床時にカーテンを開け日光を浴びると、全身の細胞が目覚めて体内時計が整います。
7-⑮.ストレスをためない
脳と腸は密接に関係していて、ストレスを感じると腸内環境が乱れます。
楽しさや幸せを感じると、脳から幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されて、自律神経が整い腸の働きが良くなって免疫力も高まります。
深呼吸(丹田呼吸法)をして酸素を体内に取り入れ、副交感神経を活性化させてリラックスしましょう。
8.生活習慣や食生活を見直しても改善しない場合
精神面が原因の場合、その不安を取り除いたりストレスの原因となっているものを解消することが大切です。
自ら解消することが困難な時は医師のカウンセリングを受けて、症状にあった漢方薬や薬剤を処方してもらいましょう。
8-①.IBS(過敏性腸症候群)に使用される主な漢方薬
医師のカウンセリングを受けて、ご自身の体質や症状にあった漢方薬をお選びください。
【桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)】
下痢・便秘・腹痛・しぶり腹・腹部膨満感など
【小建中湯(ショウケンチュウトウ)】
軽い腹部膨満感・胃腸が弱く疲れやすい人・血色がすぐれない・腹痛・冷え・虚弱体質な子供など
【大建中湯(ダイケンチュウトウ)】
腹部膨満感・下痢・便秘・腹痛・ストレスによる胃腸機能低下など
【中建中湯(チュウケンチュウトウ)】
慢性的に繰り返す腹痛・下痢・便秘など
【桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)】
頑固な便秘で排便が困難な時・腹痛が強い場合
【半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)】
みぞおち部分のつかえ・吐き気や胸やけ・お腹がグルグル鳴り下痢や軟便症状・消化不良・胃腸炎・神経性胃炎・ストレス性の下痢など
【人参湯(ニンジントウ)】
お腹が冷えやすく疲れやすい方・手足の冷え・腹痛・胃腸虚弱・下痢・嘔吐・胃炎など
【真武湯(シンブトウ)】
体が弱く冷えやすい方・疲労倦怠感・下痢・胃腸炎・胃腸虚弱・めまい・動悸・感冒・むくみ・湿疹・皮膚炎など
【加味逍遙散(カミショウヨウサン)】
精神不安やいらだちなどの精神的な症状・手足の冷え・のぼせ・生理不順や生理痛・頭痛・肩こり・けん怠感・不眠・更年期障害や自律神経失調・月経前緊張症など
漢方薬の併用による相互作用や、副作用、投薬禁忌や慎重投与など十分にご注意ください。
用法用量を守って服用し、胃痛や腹痛、湿疹やむくみなど何か困った症状が現れた場合は一旦服薬を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
※腸の症状に使用される漢方薬の詳細はこちらから
→下痢や便秘・腹痛など腸の症状におすすめの漢方薬について
※東洋医学・漢方についての詳細はこちらから
→東洋医学とは・正しい漢方薬の取り扱いや飲み方について
8-②.IBS(過敏性腸症候群)に使用される主な薬剤
【セロトニン受容体拮抗薬】
腸のセロトニンの働きを抑えて腸の異常な運動を改善し、下痢や腹痛の症状を抑える
副作用としては、女性に便秘の症状が多い
【抗コリン薬】
腸の過剰な運動や痙攣を抑制して、腹痛や下痢の症状を抑える
副作用としては、便秘・排尿障害・口が渇く・吐き気・眼圧上昇・イレウス・頭痛・めまい・心悸亢進など
【消化管運動調節薬】
腸の動きを活発にしたり抑制する働きがあり、下痢型・便秘型・混合型に効果を発揮する
副作用としては、下痢・便秘・口渇・発疹・じん麻疹・かゆみなど
【高分子重合】
便に含まれる水分量を調整して、便の形状を程よい硬さ・柔らかさに整える
下痢型・便秘型どちらにも使用できる
副作用としては、発疹・そう痒感・白血球減少・嘔気・嘔吐 ・口渇・腹部膨満感 ・下痢・便秘
【粘膜上皮機能変容薬】
小腸の水分の分泌を促進し、便を柔らかくして腸管内での移動をスムーズにし排便を促す
下痢・吐き気・腹痛・胸の不快感・貧血・悪心など
【乳酸菌製剤】
腸内細菌のバランスを整えて、腸の動きを改善させる
【下剤】
- 膨張性下剤
水分を吸収させて便を軟らかくし、便を膨張させて腸を刺激して排便を促す - 浸透圧性下剤
腸に大量の水分を引きこんで便を軟らかくする - 大腸刺激性下剤
腸の神経を刺激して腸の働きを活発にする - 浣腸と坐薬
直腸を刺激したり直腸の中をなめらかにして排便を促す
【心の治療に使用される薬剤】
- 抗うつ薬(気持ちの落ち込みや抑うつ症状に)
- 抗不安薬(不安や焦りを和らげる働き)
自分の体質や病状、副作用の経験、服用中の薬の情報を医師に伝え、決められた用法用量を守りましょう。
薬剤には副作用がありますので、使用して違和感を感じたら、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
まとめ
腸は第2の脳と言われていて、腸と脳は密接に関係しています。
IBS(過敏性腸症候群)は、精神的不安や過度の緊張などストレスからくるものが大きいので、ストレスをためず1日一回は大笑いするようにして、さらに生活習慣や食生活を見直しましょう。
それでは、IBS(過敏性腸症候群)について以下にまとめます。
- 腸の不快な症状が数か月以上続き、検査をしても異常がない見つからない場合にIBSが疑われる
- 主な症状は、腹痛・便秘・下痢、頭痛・めまい・肩こり、イライラ感・気分の落ち込みなど精神面にも表れる
- 原因としては、不摂生な食生活や不規則な生活が影響して症状が出たり悪化したり、一番の要因はストレスによって自律神経が乱れることなど
- 自律神経を整えるにはセロトニンを分泌させる(丹田呼吸法を実践し、朝日を浴び適度な運動をして朝食でトリプトファンを含む大豆・豆腐やバナナなどの食材をとる)
- タバコ・アルコール・カフェイン・肪分の多い食事や香辛料など刺激物の過剰摂取を控える
- 暴飲暴食を避けて決まった時間に食事をとり空腹の時間を作る
- 小麦粉などに含まれるグルテン、糖分(人工甘味料を含む)、牛乳や乳製品の過剰摂取を控える
- SIBO(小腸内細菌増殖症)の場合は高FODMAP食品を避ける
- 食品添加物や加工食品・農薬の摂取を控える
- 遅延型アレルギーが関連している場合は、原因となっている食物を控える
- 発酵食品・食物繊維・オリゴ糖を含む食材をとる
- 朝起きたらコップ一杯の水を飲む
- 毎朝便意がなくてもトイレに座る
- 質の良い睡眠を心がける
- 生活習慣や食生活を改善しても変化がない場合は、医師のカウンセリングを受ける
- 診断結果に基づいて、症状や体質にあった漢方薬や薬剤を使用する
以上、IBS(過敏性腸症候群)についてご紹介いたしました。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。